泡盛とは、酒税法上では「蒸留酒」に分類され、日本最古の蒸留酒とされています。日本では焼酎、海外ではウイスキー、テキーラ、ブランデーなどと同じ部類のお酒です。
1671年に、「泡盛」という名称で琉球王国の尚貞王から四代目将軍徳川家綱へ贈る献上品として扱われたといわれています。
泡盛の味わいは銘柄によって風味や香り、口当たりが大きく異なり、一言では言い表せません。
香りはフルーティな香り、ヨーグルトのような香り、キノコ類の香りなどが感じられ、口当たりでは渋味、辛味、酸味、苦味などが感じられます。
また、3年以上寝かせた泡盛は古酒(クース)と呼ばれます。独特な香りは消えて、バニラやカラメルの甘い香りが多く感じられ、口当たりはまろやかになります。
泡盛と焼酎は、主に「原料・麹」と「製法」が違います。
泡盛 | 焼酎 | |
原料 | タイ米 | 米、麦、芋など |
麹 | 黒麹 | 白麹 |
製法 | 全麹仕込み 常圧蒸留 |
二次仕込み 減圧常駐 |
焼酎の原料は、米、麦、芋などさまざまですが、泡盛は「タイ米」のみを使用します。
タイ米を使用している理由は、以下のようにさまざまです。
・日本米(ジャポニカ米)に比べて粘り気が少なく、米麹(黒麹菌を混ぜて糖化する行程)にした時に作業がしやすいため
・水や酵母を加えてアルコール発酵させる時の温度管理がしやすいため
・蒸留した際のアルコールの収穫量が多いため
また、麹にも違いがあり、焼酎では「白麹」が主ですが、泡盛は「黒麹」を使用します。その理由は、沖縄の温暖多湿の気候により雑菌が繁殖しやすいためです。黒麹を使用することで腐敗を抑えてくれます。黒麴は酒の製造過程でクエン酸を大量に生成し、白麹などと比べて酸度を高くすることができるので、温暖多湿の沖縄には好条件の麹なのです。
焼酎には、「一次仕込み」と「二次仕込み」という工程があります。
【一次仕込み】 米麹や麦麹を作る → 水と酵母を加えて発酵
【二次仕込み】 主原料となる米、麦、芋などを入れさらに発行させる
蒸留方法も異なり、焼酎は「減圧蒸留」という蒸留器内の気圧を下げた状態で蒸留するという方法です。
一方で泡盛は、原料の米すべてを米麹にして、水と酵母を加えて発酵させる「全麹仕込み」というシンプルな製法です。蒸留方法は「常圧蒸留」と言い、蒸留器内の気圧を通常の気圧で蒸留するという伝統的な製法で作ります。
泡盛は、米の甘みと香ばしさ、そして独特の風味が特徴であり、甘くリッチな味わいがあります。
一方、焼酎は原料によって異なる風味や香りが楽しめます。例えば、芋焼酎はほんのりと甘い香りと芋の風味が特徴的ですし、麦焼酎はマイルドでスッキリとした味わいがあり、泡盛とは異なる独特の風味と香りを感じることができます。
泡盛は幅広い飲み方があり、最近では「牛乳割り」や「コーヒー割り」なども人気になってきました。
以下では、泡盛のおいしい飲み方を10選ご紹介します。
ロックは、氷が溶けていくたびに少しずつ飲み口や風味の変化が楽しめる飲み方です。グラスに大きめの氷を入れ、適量の泡盛を注ぎましょう。
ちびちびとゆっくり泡盛をたしなみたい方におすすめの飲み方です。
泡盛の水割りは沖縄では最も定番な飲み方で、沖縄料理はもちろん、和洋中どんな料理でも合います。
<飲み方>
1.適量の氷をグラスに入れ、泡盛をグラス半分くらいまで注ぎます。
2.そして水を注ぎマドラーでしっかり混ぜましょう。
3.氷を軽く洗って霜をとってからグラスに入れると水っぽくならないのでおすすめです。
お湯割りは湯気と共に泡盛の香りが広がり、ポカポカと冷えた体を温めてくれます。
お湯と泡盛を入れる順番や比率で香りや味わいが変わるので、お好きな飲み方でお湯割りを楽しんでみてください。
沖縄のバーなどではお店オリジナルカクテルが人気で、「泡盛カクテル」として親しまれています。
また、自宅で好きなジュースを入れるだけでも簡単に泡盛を楽しめ、シークワーサーやレモン、マンゴーなどと特に相性が良いです。
牛乳で割って飲む泡盛は、まろやかで口当たりが良く、泡盛初心者さんにもおすすめです。
<飲み方>
1.グラスに氷を入れ、泡盛を注ぎます。
2.牛乳を注ぎ、マドラーなどでしっかり混ぜたら完成です。
実はコーヒー割りは沖縄では当たり前の飲み方として親しまれており、沖縄限定でコンビニに泡盛コーヒーが売られているほど定着しています。
コーヒーの苦味と泡盛のコクが合わさり、後味すっきりで飲みやすいのが特徴です。古酒(クース)ではなく、新酒など若い泡盛と割るのがおすすめです。
ちょっぴり珍しい泡盛モヒートも、おすすめの飲み方です。
<飲み方>
1.グラスに氷、泡盛、レモン汁、ガムシロップ(砂糖でも可)を入れる。
2.かき混ぜてからミントを入れ、その後ソーダを適量に注げば完成。
フルーツジュースを割って飲む飲み方は、カクテルのように味わえるので泡盛初心者に特におすすめです。
オレンジジュースやパインジュース、マンゴージュースなど、お店に売っているジュースで簡単に作ることができます。おしゃれに生のフルーツを乗せて飲んでもいいかもしれませんね。
シークワーサー割りは、地元でもよく飲まれる飲み方です。シークワーサーの酸っぱさが泡盛の独特な味や香りを抑え、とてもすっきりとした味わいになり飲みやすくなります。
グラスに氷を入れ、そこに泡盛とシークワーサー果実またはシークワーサージュースを入れ、かき混ぜたら完成です。お好みでソーダを入れても、おいしく飲むことができます。
こちらも少し珍しく感じる割り方かもしれませんが、コークハイのようにコーラで泡盛を割る飲み方です。割る分量によって味も変わってきますが、泡盛本来の味わいや香りとコーラの甘さが絶妙にマッチします。いろんなおつまみにも合うので、ぜひお試しください。
お気に入りの泡盛を見つけるには、「アルコール度数」、「香り」、「味わい」、「製造者・ブランド」の4つのポイントで選ぶのがおすすめです。それぞれについて、簡単に解説していきます。
販売されている泡盛のアルコール度数は主に25度〜30度が多いですが、中には40度〜50度の泡盛もあります。
アルコール度数が25度以下の泡盛は「マイルド」と表記することができます。マイルドタイプはフルーティな香りや甘さがあるものもあるので、お酒が弱い方や泡盛初心者の方は、アルコール度数が低いマイルドタイプの泡盛から飲むのが良いでしょう。
泡盛の味わいに慣れてきた方は、30度程度の泡盛がおすすめです。
泡盛は基本的に独特なクセの強い香りが特徴です。
一方で、銘柄によっては香りもさまざまで、ブランデーのような香りのものもあればバニラのような甘い香りのする泡盛もあります。
好みの香りで泡盛を選ぶのも良いでしょう。
通常の泡盛は「常圧蒸留法」で製造されることが多いですが、中には焼酎同様に蒸留器の内部圧力を低く保ちながら製造する「減圧蒸留法」で作られる泡盛もあります。
この方法で作られる泡盛は、軽やかで柔らかな味わいが特徴です。清々しい味わいは雑味が少なく飲みやすいため、特に泡盛に慣れていない初心者の方にはおすすめです。
泡盛に慣れている方やお酒が好きな方は、最初から人気の製造者・ブランドから選んでみるのも良いでしょう。有名な泡盛は品質が高いものも多く、失敗しづらいです。
とは言え、どんな泡盛が人気なのかよくわからない方も多いかと思うので、この後ご紹介するおすすめの泡盛をぜひチェックしてみてください。
「沖縄に来たら泡盛は絶対飲みたいけど、種類が多くて選べない」という方も多いでしょう。そこで以下では、おすすめの泡盛を5つ厳選してご紹介します。
首里城近くにある明治20年(1887年)創業の瑞泉酒造の泡盛です。
2005年には全国酒類コンクールで最高賞にあたるグランプリを受賞し、全審査員から満点をもらったほどの泡盛です。
瑞泉3年古酒は8年寝かせた古酒など、数種類の古酒をかけ合わせた独自のブレンドにより奥深いコクを感じられます。
瑞泉の3年古酒には「瑞泉 青龍」「瑞泉 鳳凰」「瑞泉 久慶」などもあります。
自然豊かな久米島で造られ、天然の湧水を使用している久米仙泡盛です。
さわやかな飲み口が特徴で、味も丸みがありすっきりと味わうことができます。
30度、50度と2種類から選べるのでおすすめです。
読谷村にある比嘉酒造の古酒造で5年寝かせた古酒の中からさらに厳選された古酒をブレンドして誕生しました。
モンドセレクション4年連続金賞を受賞している泡盛です。芳醇な香りとコク、飲むたびに奥深い味わいが楽しめます。
「春」は希望を、「雨」は恵みを象徴し、「春雨」と名付けられたこの泡盛は、沖縄国際海洋博の際には皇室に献上され、また沖縄サミットの晩餐会でも提供された実績を持つブランドです。
その香りは、お米の香ばしさが前面に出ており、その後にバニラのような甘い香りが漂ってくるのが特徴。雑味の少ない、やわらかで滑らかな味わいが魅力で、口当たりの良さが非常に人気です。
「カリー」という名前は、沖縄方言で吉祥やお祝いの意味を持ち、日々の晩酌はもちろん、お祝いの席や乾杯の際にもぴったりな泡盛となっています。
泡波(あわなみ)は、わずかに塩分を含む波照間島の良質な地下水で作られる泡盛です。生産量が非常に少なく、波照間島以外で手に入れることが難しいことから「幻の泡盛」とも呼ばれています。
ソフトな香りと甘くまろやかな飲み口が特徴で、とても読みやすく、ついつい飲み過ぎてしまう泡盛でもあります。稀に沖縄本島の沖縄料理屋や居酒屋に置かれているので、見つけた方はラッキーです。ぜひ注文して「幻の泡盛」をご堪能ください。
オリエンタルホテル 沖縄リゾート&スパは、沖縄の美しい海を背景に立つリゾートホテルとして2021年10月に新しくオープンしました。このホテルの最大の魅力の一つは、その絶景のロケーションです。沖縄の透き通る青い海や緑豊かな自然と一体となりながらリフレッシュでき、至福の時間を過ごすことができます。
ホテル内部も豪華で、客室のデザインや設備も非常に洗練されており、お部屋は全部屋オーシャンビューです。また、緑豊かな丘の上に広がる全長170mのガーデンプールでは、東シナ海に沈むサンセットを一望できます。食事は、和食・洋食・中華など多彩な食事を楽しむことができ、ロビーラウンジのレストランでは泡盛を味わうこともできます。
そのほかにも、水辺のアクティビティやネイチャーガイド、ナイトプールなど、多彩なアクティビティも用意されており、退屈することなく沖縄を楽しむことができるでしょう。
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